午前4時起きでジャクソンホール行きの便に搭乗
旅行4日目。ろくに寝ていないのにさくっと目が覚め、意外と体も疲れていません。無駄(ほんとムダ)に早い午前4時のシャトルバスで、日も登らないうちにホテルから空港へ移動します。
だだっ広いデンバー国際空港でダラダラと午前8時ころ出発の便を待ちます。幸い再度の遅延は無く、定刻どおりにジャクソンホール空港に降り立ちました。
ジャクソンホール空港 – 着陸と同時に見える絶景
飛行機から降りた瞬間、美しいティトン山脈が目に入り、昨日のクソユナイテッドに対するフラストレーションは吹き飛びました。このジャクソンホール空港、グランドティトンという国立公園の敷地内にある珍しい空港ですが、周囲に広がる草原も西方にそびえ立つティトン山脈も、美しいの一言に尽きます。
空港も木材をふんだんに使用した風情ある造り。
グランドティトンを突き抜けてイエローストーンへ
早速空港でレンタカーを借りて出発。このジャクソンホール空港を起点にイエローストーンへ向かう場合には、まずはグランドティトン国立公園を北へ突き抜けることになります(両公園はつながっています)。本来は、ジャクソンホール空港の南のジャクソンホールという街に一泊してからイエローストーンに行く予定でしたが、クソユナイテッドのせいでジャクソンホール観光は不可能となり、空港から直接イエローストーンに向かいます。グランドティトン国立公園は、イエローストーンからの帰り道で観光する予定でしたが、道中の景色が美し過ぎて何度か車を止めてしまいました。そうしながら走ること、1時間強でイエローストーンに到着しました。
イエローストーン国立公園 – 世界初の国立公園
イエローストーンはTOEFLの勉強等でも良く出てきたのでアメリカに来たらぜひ行ってみたいと思っていた場所ですが、世界初の国立公園で、ゲイザー(間欠泉)で有名というのが事前の私の印象でした。
夏季、早くてもメモリアルデー以降に訪れるべき
公園は大きく分けると5つのエリアに分かれていて、8の字(デジタル数字の8)型に道路でつながっています。5月下旬まではいくつかの道路が封鎖されており、観光できないエリアがあったり、エリア間の移動が不便だったりするので、それ以降の季節に訪問するのが無難でしょう。冬は冬で別の一面を見られるとは言いますが、大人しく夏に訪れるべきだと思います。私が訪れた5月下旬でもまだ、一部の道路が封鎖されており、別のエリアに行くのに迂回する必要が生じました。
最低2泊、できれば3泊したい
公園はかなり広いので、十分堪能しようとすると、1日では3分の1くらいしか回れません。公園への到着時間帯にもよりますが、日帰りは論外、1泊では確実に足りない、2泊だと余裕がない、できたら3泊欲しい、4泊は多い(スペシャルなアクティビティに取り組まない限り)、というのが個人的な感想です。アメリカの中でも屈指の大人気スポットですので、入念な計画と準備が必要なことには注意してください。
ヘイデンバレーでバッファロー渋滞
私はまず、公園東のキャニオンカントリーエリアへ向かいました。道中、ヘイデンバレーという草原地帯を通過する際に早速バッファローやエルクが登場。バッファローを見たいがためにみんな勝手に車を停めて観察を始めるので、渋滞があるとバッファローが道路周辺に出現したことが分かります。
アメリカ人らしき観光客はやたら動物観察が好きらしく、至る所で渋滞に出くわします。あまり近づいてはいけないのですが、動物の方が勝手に車に寄ってくるので、至近距離で写真を撮ることも可能です。車を降りてやや遠巻きに写真を取っていたとき、隣のオバサンが、「昨日女の子が近づきすぎて、バッファローに攻撃されて大けがをしたので気を付けろ」と注意してくれました。基本的に大人しいのですが、実際に怪我につながることもあるようです。
イエローストーンの専売特許という訳ではありませんが、野生動物観察はイエローストーンでの楽しみの一つです。なお、バッファローはたくさんいるので、最初の発見時にあせらなくても大丈夫です。
キャニオンカントリー
ヘイデンバレーを抜けてキャニオンカントリーエリアに到着。先に言ってしまうと、私はイエローストーンの中でこのエリアが一番気に入りました。ここの特徴は、イエローストーンの名前の由来となった黄色がかった峡谷と、そこを流れ落ちるいくつかの滝です。なお、5月下旬は滝の水量の増える時期なので、良い季節だったかも知れません。
Uncle Tom’s Trail
まずはUncle Tom’s Trailというトレイルに挑戦。
ガイドブックの紹介どおり結構キツイ階段が続きます。残念ながら、雪解けが完璧でないのか、アッパー滝の滝壺への段は閉鎖されていました。時期がまだ早すぎたのか、キャニオンカントリーエリアではいくつか閉鎖ポイントがありました。
閉鎖のせいで、アッパー滝の写真は中途半端な位置からの撮影になりました。写真だとあまり伝わらないですが、十分立派な滝でした。
Artist Point
次に向かったのはアーティストポイント(Artist Point)。なんか気取った名前ですが、アーティストを名乗るだけのことはありました。
ここは厳しいトレイルがあるわけでもなく、立派な峡谷とそこを流れる滝・渓流を簡単に一望することができます。
てか、中国人多くない…?
このあたりで感じ始めたのが、公園内の中国人観光客の多さ。この日はアメリカの祝日を含む三連休であるにも関わらず、中国人観光客が最大多数を占めており、50-60%は中国人だったでしょうか。やっぱり彼らは声がデカいです。。
一方、日本人はGWの連休シーズンを過ぎたばかりのせいかほとんど見当たらず。誇張なしで、中国人:日本人=100:1くらいの差がありました。他の国立公園含むアメリカの観光地で、ここまで中国人に囲まれる経験は初めてでした。どこに行っても大声で中国語が聞こえてきますし、若干興ざめに感じてしまいました。イエローストーンに行くのが一種のステータスだったりするのかも知れませんが、ここまで訪れるのは多少なりとも豊かな方々だと思うので、これを機に、自国の環境保護にもより目を向けてくれることを祈ります。そんなこと言っても仕方ないので、そんな愚痴は忘れて、次は峡谷の反対側の道へ移ります。
Brink of Lower Trail – 残念ながら閉鎖
まず向かった、ロウアー滝の目の前へ行けるというBrink of Lower Trailは残念ながら閉鎖。
Lookout Point
Lookout Pointの景色。これはナイスでした(その分混んでますが)。アーティストポイントと似ているようにも思えますが、現地で見た時はそんなこと感じませんでした。
Lookout Pointにもトレイルがありますが、階段はキツイのに終点の景色はスタート地点の展望台よりショボいという、骨折り損のくたびれもうけスポットでした。
Grandview Point – これが「イエローストーン」の大峡谷
疲れてきた体をおして、次のGrandview Pointへ移動。
ここから見える峡谷が、Grand Canyon of the Yellowstoneだそうです。同じグランドキャニオンでも、グランドキャニオン国立公園の大峡谷には及びませんが、川がある分さわやかで、こっちはこっちで見ていて気持ちが良いです。
Inspiration Point
そしてエリアの最後に訪れたInspiration Point。しかし、これといって特にインスパイアされる要素はありませんでした。
小休止 – 公園内の休憩施設は充実
キャニオンカントリーエリアの観光を終えて、近くのビレッジで小休止。公園内には、エリアごとにガソリンスタンド・ギフトショップ・レストラン・ホテルを備えたビレッジがあり、ワイオミング州という秋田県ばりのド田舎のくせに良く整備されています。
ギフトショップもこぎれいで、見事に観光地化されているなと感じます。
ルーズベルトカントリー – ただの通過エリア
ビレッジで休憩後、キャニオンカントリーエリアを北へ抜け、ルーズベルトカントリー(公園北東部)に移動。このエリアは大した見どころはなく、その先のマンモスカントリーエリアへの通り道に過ぎませんでした。
タワー滝なるスポットもありますが、先ほどのキャニオンカントリーエリアに比べると見劣りします。なお、このエリアでも野生動物は出没します。バスツアー客がメインだからか、はたまた単純に興味がないからか、動物観察をしている中国人はあまり見かけませんでした。
マンモスカントリーエリア
そして、今日の宿泊エリアであるマンモスカントリーエリアに到着。このエリアの見どころは温泉が作りあげた石灰岩です。
まずはホテル – Mammoth Hot Springs Hotel
夕方に差し掛かっていたので、まずはホテルでチェックイン。このエリアの宿はMammoth Hot Springs Hotel。今まで宿泊してきた国立公園内のホテルに比べると随分こぎれいな印象。シャワー共同の部屋しか取れませんでしたが、男性の一人旅なら何の問題も感じません。
ホテルの正面には草原が広がり、エルクがのんびりしており、駐車場の近くまでもやってきます。
ホテルの部屋ではバイソンがお出迎え(※なお、バッファローとバイソンは同じものと考えておいて良いです)。今回宿泊した国立公園内のホテルはどこも、このような人形と、水を入れるためのチューブ(「環境配慮のため、ペットボトルでなくこれを使え」的な)をベッドにちょこんと配備してありました。
随分と気前が良いなと思いましたが、人形にはしっかり値札が付いています。大自然に触れて高揚した気持ちで入室し、子供がこれを見ておねだりしてきたら購入不可避だと思います。幸か不幸か、ボッチ旅行の私はねだってくる相手もいないので、ホテルの罠にはハマりませんでした。
テラスマウンテンゾーン観光 – アッパーテラスゾーン
このエリアの観光は翌日の予定でしたが、サマータイムもあって一向に日が沈まないので、観光を続けることに。ホテル近くのテラスマウンテンゾーンは宿から歩いて行ける距離だったので、先に車が必要なアッパーテラスゾーンへ。感想としては、「ふつう」でした。
大半が石灰で構成された無機質な感じのエリアで、温泉もちょこっとあるくらいで大きな感動はありませんでした。
テラスマウンテン
ホテルの駐車場に車を停めて、次は徒歩でテラスマウンテンへ。
入口にリバティキャップなるものがそびえ立っていますが、何を連想するかは名前の通りあなたのリバティです。南米人らしきカップルが、彼女に手をかざさせて、ケラケラ笑いながら写真を取っていました。どう手をかざしていたかは想像に任せますが、南米人は本能に忠実ですね…
こちらのテラスマウンテンのエリアの方が、石灰の色合いが明るく形状も面白くて、アッパーテラスの景色よりもだいぶ印象的でした。
この日の観光はこれで終了です。ホテル側にあるレストランで夕食を取り、就寝。公園内のレストランのメニューはどれも似通ってますが、国立公園での食事としては十分なレベルではないかと思います。
色々と整備されており、違和感を覚えるくらい快適な国立公園だなと思った初日でした。
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