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弁護士と旅

メサ・ベルデ国立公園(2) – 遺跡ツアー

弁護士と旅

ビジターセンター到着 – ツアー参加は必須

旅行二日目のこの日、デュランゴのホテルで朝食を済ませてメサベルデに出発しました。高原の大自然を横目に走り続けるだけですが、道中に町もあります。

車で40分程度で公園のビジターセンターに到着しました。ここでレンジャーチケットのツアーを買います。クリフパレス・バルコニーハウス・ロングハウスという三大遺跡はツアーでないと入れないので、チケットの購入は必須です。一つ4ドル程度なので買いましょう。クリフパレスとロングハウスは似ているので、そのうち片方だけ選ぶという判断もアリだと思います。

驚いたことに、一番人気のロングハウス(午後2時発)のチケットは、まだ午前8時30分前なのに2枚しか残っていませんでした。ロングハウスのツアーは夏季限定で、かつ、この日が解禁日だったとはいえ、よくこんな僻地に人が集まるなと思いました。売場のオヤジに「3つ全て参加したい」と伝えると、ロングハウスのツアーの時間を軸に、他の2つについても丁度いい時間のチケットを選んでくれました。

購入後の残チケット数。一番右の列がロングハウスのツアーですが、私が購入したため、残弾1となっています。

クリフパレス&バルコニーハウスツアーのチェイパンメサへ

チケットを手に入れたので、まずはクリフパレスのツアーへ。クリフパレスとバルコニーハウスはチェイパンメサ(Chapin Mesa)という同じエリアにありますが、ロングハウスはウェザリルメサ(Wetherill Mesa)という別の離れたエリア(冬季閉鎖)にあります。ウェザリルメサの見どころは、ほぼロングハウスのみであり、大半の見学スポットはチェイパンメサに存在してます。

ビジターセンターからチェイパンメサまで車で数十分かかりますが、山肌に作られたドライブウェイから見える景色も壮観です。

崖っぷちや高原を切り開いてひたすら伸びる道。山道だけあってカーブが多く、アメリカにしては若干運転しづらいですが、運転していて楽しい道です。

クリフパレス(Cliff Palace)

クリフパレス入口に到着し、午前10時からのツアーに参加。こちらのツアーの所要時間は45分程度です。

モンスタークレーマー撃沈 – チケットはビジターセンターで買いましょう


ツアーの集合場所から遺跡を一望できますが、ツアーに参加しない人はここまでです。韓国系と思しきパーティ数名が、勝手に中に入ろうとしてレンジャーに制止されていました。彼らは「チケットなしで見れるとスタッフが言っていた」と主張していましたが、きっと、「(遠目に)見ることはできる」というのを、「入ることもできる」と勘違いしたのでしょう。「ここまで来てカリフォルニアに帰れというのか」と冗談っぽく食い下がっていましたが、当然ダメでした。チケットは現地では売ってくれないので、ちゃんとビジターセンターで買いましょう。

ツアー開始 – 階段はキツめ

先ほどの韓国系のパーティは無視してツアー開始。「西向きのため、光が差す午後のほうがお薦め」とガイドブックには書いてありましたが、光に映える場所でもないので拘る必要はないでしょう。

平日かつ場所柄もあって、ツアー参加者は年配の方が多かったです。傾斜のある階段等も多く、肥えた米国人高齢者はゼーハー言ってました(米国人の体型はホントにだらしないといつも感じます。)

肝心の遺跡ですが、けっこう見応えありました。こんな場所で農耕を行い、限られた水を採取し、人々が生活を営んでいたかと思うと不思議な気持ちになります。


なんかゼルダっぽい。

周囲に無限に広がる標高2,000メートルの緑の台地や大峡谷と、遺跡が建造されている断崖絶壁を見ると、ここに人が住んでいたとは俄かに信じられないのですが、そんな場所に、ここまでキレイに人の生活の形跡が残っているのには素直に驚愕しました。グランドキャニオンのような、大自然の歴史が創り上げた造形に対する感動とはまた違う、自然の中に過去の人間が創り上げた造形に対する感動を覚えました。

バルコニーハウス(Balcony House)

次は午前11時30分からのバルコニーハウスのツアーに。ビジターセンターのオヤジが組んだスケジュールは割とギリギリで、タイトとまでは言いませんが、余裕はありませんでした。

「ここは高いハシゴを登ったり狭い壁の隙間を通ったりするので、ダメな人はご遠慮を」みたいな事を言われてましたが、ボストロールみたいな体型の外国人高齢者も平気で参加しているので、普通は問題ないと思います。

そのハシゴです。昔の小学校にあったアスレチックジム程度の怖さしかありませんが、それがダメならやめておいた方がいいでしょう。

確かに狭いです。ほんとうにボストロールでも大丈夫だったかな…。

肝心の遺跡は、クリフパレスに比べると小規模で乱雑な感じですが、バルコニーハウスというだけあって、こちらの遺跡のほうが崖っぷち感があり、峡谷の景色も良く見えます。

バルコニーからの景色です。なぜこんな所に住みはじめ、立ち去っていたのかレンジャーが解説していました。もともと平地に住んでいた人達が、外敵から逃げつつ肥沃な土地を目指した結果、ここに辿り着いたそうです。ところが、農耕したりして人口が増えていくに連れ、一帯の資源が枯渇してしまい、最終的には放棄してしまったとか。

こうしてレンジャーツアーの解説を聞いているとTOEFLの勉強をしていた頃を思い出します。出てくるトピックといい単語といい、TOEFLそのまんまです。うまく聞き取れないのも、TOEFLの頃そのまんまです。

ロングハウス(Long House)

致命的なリスニングミス – たまにあるので気を付けましょう

バルコニーハウスの見学が終わった後、ロングハウスのツアーまで時間があったので少し休憩して、ツアーの40分ほど前にロングハウスに向けて出発しました。ビジターセンターのオヤジは「クリフパレスから15分程度で着く」と言っていた気がしたのですが、一向に目的地が見えてきません。またしても、フィフティー(50)とフィフティーン(15)を聞き間違えるというブービートラップに引っかかりました。。

あせってスピードを上げようとしても、追越し車線も無いし、観光客は基本ジジババのため、制限時速を下回るスピードでトロトロ走りながら前方をふさいでいます。完全に自分が悪いのですが、「その老い先短い命、今ここで消し去ってやろうか」と思うくらいイライラしました。そのうち、前方の車が展望スポットへの脇道に入ってくれたため、一気に加速して頭文字Dばりに峠を攻めた結果、滑り込みでツアーに間に合いました。

ツアー開始 – クリフパレスとそこまで大差ない

ロングハウスのツアー開始前にレンジャーが、「そこそこ歩くから、自信のないものは今すぐここから立ち去れぃ」と脅してきましたが、ジジババを基準にして話しているで、ビビる必要ないです。正直、「こいつは引き返したほうが良いんじゃないか?」と思うトロルキングも混ざっていましたが、そんな自制が効く人はそもそもトロルキングにならないと思うので、警告しても馬の耳に念仏です。

ツアー集合場所からロングハウスまでの景色は枯れ木で溢れかえっており、雲が出てきたせいもあり、生命感に欠けていました。枯れ木は、公園内でしばしば発生する大規模な山火事のせいだそうです。

30分程度でロングハウスに到着しましたが、遺跡はクリフパレスを一回りワイドにしたような感じでしょうか。人によっては「一緒じゃん」と思うかもしれないレベルです。レンジャーの説明も他のツアーと似通っているため若干お腹一杯です。

全景です。確かに規模はあります。天気のせいかは分かりませんが、クリフパレスより荒涼とした印象を受けました。

語るレンジャー。こんなところに滴り落ちる水を飲用していたとか。このレンジャーも飲んでみたけど、痛い目にあったそうです。

こういうハシゴを見ると、マリオとかロックマンとかのアクションゲームを想起してしまいます。ツアー全体としては、一番人気とはいえ、無理して参加する必要はない(クリフパレスでも十分)という感じでした。

ウェザリルメサの観光トレイル – ステップハウス(行く価値無い)

ロングハウスのツアー終了後、お腹一杯と言いつつ、ロングハウスと同じエリアにあるステップハウスという遺跡行きのトレイルに挑戦しました。ちょくちょく雨が降り、雷鳴も轟いていたので、他の観光客は9割がた帰っていました。

坂道を30分くらい歩くとステップハウスに到着。ここの特徴は7世紀頃の旧式の家と13世紀頃の最終形(?)が同時に保存されていることだそうです。ツアーで行く遺跡よりも整備されておらず、「まあなんか竪穴式住居みたいなのがあるな」という程度の感想でした。30分も坂道を歩いてまで訪れるほどのものではありません。遺跡を回っている間も、レンジャー1人、観光客5人くらいにしか出会わず、雷も鳴っており、かなり寂しかったです。

眺望抜群の公園内ホテル – ファービューロッジ

今日の観光はこれで終了。滞在先である公園内唯一のホテル、ファービューロッジ(Far View Lodge)に移動します。園内は広く、公園入口から観光エリアまでも車で30分以上かかるので、遺跡のツアーだけでなく、公園内を一通り観光するのであれば、このホテルを確保するのが望ましいです。ただ、そこまでして観るモノも多くないので、大人しくデュランゴに帰っても後悔はしないでしょう。

部屋の設備はこの手のロッジとしては普通ですが、部屋からの景色は格別。ファービューの名に恥じず、遥か遠くまで見渡せます。文化世界遺産ということで、自然に関しては期待してなかったのですが、この緑の台地だけでも十分見応えがあります。こういう景色はアメリカでは良くありますが(秋吉台にだってあるかも知れない)、こんな所に人が住んでたという気持ちで見ると、また違って見えます(タダの思い込みです)。

こんなところなので、夕食はホテルか近くのカフェのレストランで取らざるを得ません。ホテルのレストランで食事をしましたが、意外にまともなレストランでした。食後は、こんな場所に夜のエンタメがある訳ないのでさっさと就寝です。この夜は残念でしたが、晴れていれば夜空は確実にキレイだと思います。

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