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弁護士と旅

メサ・ベルデ国立公園(1) – おススメしないがロマンのある世界遺産

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断崖絶壁に作られた人々の住居 – メサベルデ

デュランゴ二日目の朝、目が覚めると昨日の頭痛は消えており、ホッとしました。今日はついに目当てのメサ・ベルデ国立公園へ。メサベルデ(Mesa Verde)、 スペイン語ですが、英語に直訳すればGreen Table、日本語では緑の台地という意味になります。

アメリカの国立公園の中では唯一の世界文化遺産

ここには標高2,000メートル前後の台地の崖に作られた先住民の住居跡があります。「吉野ヶ里遺跡みたいなモノか」と言われると身も蓋もありませんが、アメリカの国立公園の中で、唯一、自然遺産でない世界遺産として登録されていることでも有名です。

「住居跡なんて見て何が楽しいの?」と言われるとその人とはもう分かり合えないのですが、人が住んでなさそうな秘境に突如古代の遺跡が現れるのはロマンです。行ったことないですが、あの天空都市マチュピチュだってこれのスケールアップ版だと思います。(転載時追記:後日マチュピチュも訪れましたがこの意見に変更はありません)

あまり万人向けの観光地ではない

上記のとおり私にとってはロマンがあり、ぜひ行ってみたいと思っていた国立公園でしたが、以下の理由から強くお薦めできる場所ではありません。

1. アクセスが悪い

この国立公園、コロラドの南西部、ほぼニューメキシコ州との州境みたいな場所にあります。コロラド州の最大都市デンバーからも決して近くはなく、大都市から車で行こうとすれば5時間以上はかかります。飛行機も地方路線のため便数は少なく、ダラス・フェニックス・デンバー等からそれぞれ一日に数本飛んでいるだけという感じです。私のように、乗継でトラブルが発生すると面倒なことになります。

2. 他の観光地のついでに訪れるのも難しい

地球の歩き方には「グランドサークルのついでに寄ってみては」という記載もありますが、もちろんサークルの円上には無く、ここを訪れるとかなりの時間を割くことになりますし、近くもありません(一番近そうなアーチーズ国立公園からも車で2時間半くらいです。そもそも、アーチーズ国立公園もグランドキャニオンやモニュメントバレーから4時間以上かかります。)。

メサベルデをグランドサークルの旅程に組み込んでしまうと、スケジュールに多大な影響を及ぼすことは必至です。グランドサークルにはもっとアクセスが良く見応えもある場所がたくさんあるので、無限に時間がある人以外は他の場所を優先するのが無難です。

3. 現地には歴史ロマンしかなく、SNS映えはしない

「緑の台地」というだけあって、どこまでも広がる高地の森林帯もかなり見応えがありますが、ここのメインの目的は8世紀~14世紀(多分)にわたってこの僻地で生活していた先住民に思いを馳せることです。そんなややこしい文化遺産を観なくても、グランドキャニオンやヨセミテのように非常に分かりやすい世界自然遺産や、ディズニーやユニバーサルスタジオ等の誰にでも自慢しやすい観光地がアメリカにはたくさんあります。

「大昔の先住民の暮らし」をアピールしてもSNS映えしづらいでしょうし、SNSでの発信が大好きな方はこの国立公園では満足できないでしょう。また、きらびやかな場所が好きな駐妻さんがいた場合には、こんなオタクな場所、まず決裁が下りないでしょう。なお、ゲートシティであるデュランゴにはSL狭軌鉄道の旅という、「世界の車窓から」的なオプションもありますが、鉄道なんてオタク要素しか無く、リア充にとっては逆にマイナスファクターでしょう。

こうした理由から、ここに来るのは、①華美な観光地に行くパートナーがいない私のようなボッチ人間、②デンバー等のアクセスの良い場所に駐在している方々、③鉄オタ、④国立公園あるいは歴史マニア、⑤長期滞在で観光地を行きつくした方、といった人種に絞られてくると思います。

それでも行くのが、漢のロマン

上記①の様な場合であっても、なぜそんな場所に行くのかと周囲から冷たい目で見られるでしょう。私が知人に対してここを訪れる予定を話した時のリアクションも冷ややかなものでした。しかし、漢のロマンとはいつの時代も他人には理解されないモノです。ネットや旅行情報誌を見てここに興味を持つ人にとっては、きっと行く価値のある場所だと思います。グランドサークルに優先してまで訪れるのは傾き過ぎですが、行ってみたいと強く思えるのであればおススメします。

前口上が長くなってしまったため、旅行記は次回以降のエントリに回します。

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