荒野の果て、モニュメントバレーへ
旅は4日目後半。ブライスキャニオンを12時半くらいに出発し、次の目的地であるモニュメントバレー(Monument Valley)に移動。赤い大地に謎のテーブル型の巨岩が立ち並ぶ不思議な光景が広がるエリアです。モニュメントバレーは、ナバホ族というインディアンが管理・居住する地区で、「アメリカの原風景」ともいわれるそうですが、そもそも「原風景」という言葉の意味が良く分かりません。
だそうです。「ぼくのなつやすみ」的なモノだと理解しました。しかし、アメリカ人って東海岸から侵攻してきたくせに、これを原風景とか呼ぶのなんかセコくないですかね…。ともかく、車を飛ばしてモニュメントバレーに向かいます。
とにかく遠く、道も単調。そのうえ道中に何もない
………遠い。5時間近くかかる道のりでしたが、だだっ広いほぼ真っ直ぐな道路をひたすら走り続けました。不定期に荒野・草原・岩場など道路の周囲の景色が変わってくるので、そういう楽しみはありますが、さすがに4時間を超えるドライブになると飽きてきます。超大国アメリカの広さを舐めてました。
それに加えて、ザイオンやブライスキャニオンに向かった時に比べると、道中に何も無く、ガソリンスタンドを見つけるのにも一苦労します。場所によっては携帯の電波も入らないし、ここでカートラブルが起きたら完全にオワタ状態です(一定間隔ごとに緊急電話が置いてありますが)。
数少ないガスステーション兼食料雑貨店で休憩を取りつつ、際限ないドライブを続けているとようやくお目当ての光景が見えてきました。
フォレストが走っていたのはこれですよ(写真は映画のシーンとは違います。本物は”Forrest Gump Point”でググってください。)。これがアメリカ人の心の奥にある原初の風景なのかは疑問ですが、もはや別の惑星に来たような気分になります。
景色だけは最高の公園内のホテル – The View Hotel
長時間のドライブを終え、午後6時頃にホテルに到着しました。アリゾナ州はサマータイムを採用していないのですが、このモニュメントバレーのあるナバホ地区に限ってはサマータイムが採用されており、グランドサークルの辺りは色々ややこしいです。
宿泊したのは公園内にあるザ・ビューホテル(The View Hotel)。その名のとおり、ホテルからのビューは見事なものでしたが、景色以外には客室も料理も特に誇れるものは無い感じでした。
部屋は特に酷い点は無いですが、少し安っぽい感じです。
その唯一の取りえの景色です。なお、ここのレストランの食事は今回の旅行の中で一番残念でした。また、この地区はアルコール禁制らしく、ノンアルコールのワイン等はありますが、いつもの様にまずは一杯という訳にも行きません。写真を見ても分かる通りこの「ビュート」というデカい岩(丘?)以外は何もないので、ボーっとビュートを眺めつつ夕暮れを待ちます。そして、夕陽が沈めばもうその日はおしまいです。
だんだん色を変えていくビュート。荒涼とした景色のせいか、独りぼっちのせいか、ずっと眺めていると心がしんみりします。
夕暮れの景色を見に来たモブどもと、ホテルの正面入口側から見えるビュートとは反対側の景色。反対側の方が夕日が見えるぶん神々しさがありますね。
リア充との遭遇 – 頼むから爆発してくれ
夕日も沈みきったので、部屋でシャワーを浴び、ネットで今後のスケジュールを確認すべくWi-Fiの繋がるロビーに向かっていると、見たことあるシルエットが自分の方に歩いてきました。。
「ギャー、知り合いAがあらわれた!」
シカゴの別のLLMに通う日本人の知り合いが新妻とともに現れました。8回逃げたくなりましたが、やむを得ず普通に会話することに。私のようなボッチは、リア充から目を背けて他人からの目線を避けることで何とか自我を保っているのに、こんな僻地まで来て新婚夫婦のアメリカ旅行を突きつけられては精神崩壊待ったなしです。
どうやら彼は、直前の金曜まで期末試験で、その後の一週間の春休みを利用してこちらに来ていたようです。授業をサボって現実逃避している私とは大違いです。彼には、この地を新婚の奥様と楽しみ、独り現実から目をそらし彷徨い続ける孤独な私を見てあざ笑う資格があります。話を聞くと、どうやらNYに留学中の他の日本人弁護士も同じホテルに家族で滞在していた様です。考えることはみんな同じですが、私だけが独りボッチでした。
ホテルは日本人ばかり
悲しき出会いを終えて改めてロビーに向かいましたが、このホテル、日本人だらけでした。誇張抜きで、85%くらいの宿泊客は日本人のツアー客だったと思います。確かに西海岸は駐在者・観光客含めて日本人が多いとは思いますが今夜の日本人の比率は異常でした。ホテルに着いた時に感じた別の惑星に来たような気持ちは一気に吹き飛びました。少し興醒めと感じながらも、旅程の検討を終え、翌朝の日の出に備えて眠りに着きました。
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