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弁護士と旅

ラグナバカラ – メキシコの僻地で友人が失踪した件 (vol.4))

弁護士と旅
留学中のブログ転載&修正保存。何年も前の話であり、現在とは多分に事情が異なる可能性が高いので内容は鵜呑み厳禁。

カンクンから4時間の秘境の湖 – Laguna Bacalar

カンクン旅行4日目。今日でカンクンのホテルを去り、ユカタン半島の別のエリアへと移動します。今日向かうのは、Laguna Bacalar(ラグナバカラ)という、カンクンから遥か南に下り、ベリーズとの国境の街であるチェトゥマル辺りにある湖です。

カンクンから遠いため、地球の歩き方(メキシコ版)にも載っておらず、英語版旅行ガイドブックLonely Planetにちょこっと記載がある程度でしたが、LLMのメキシコ人がイチオシしていて、ネット上の写真も素晴らしかったので旅程に組み込みました。日本語での情報は少なく、ネットで申し込める現地ツアー等もなく、現地特攻だったので正直不安でした。今思えば、そこまで仲良くない中国人と一緒の旅行でよくこんなアグレッシブな計画立てたな…

朝9時頃にホテルをチェックアウトして、約4時間の長距離ドライブでバカラに向かいます。カンクンから少し南の観光リゾートであるプラヤデルカルメントゥルムまではそれなりに交通量もありましたが、トゥルムから先は高速をまっすぐひた走るだけの単純作業でした。ナビアプリも、250kmまっすぐです」とかいうクソ大味な道案内をせざるを得ないくらい単純な道のりでした。高速を3~4時間ひたすら真っすぐ走行し、なんとか13時頃に現地に到着しました。

帆船の魔法 – Magic Bacalar

この日訪れたのはMagic Bacalarというツアー会社。キャンプ施設(小さいテント)も備えており、バーベキュー等もできるようです。ボートか何かでのんびりする予定でしたが、どうやら、帆船で湖を周遊してスノーケリングもさせてくれるとのこと。お値段はサンドイッチ・果物のランチ付で一人60ドルくらいでしたが、値段に見合う、いやそれ以上の価値がありました(いや、マジで楽しかった)

水をかぶるアクティビティが多かったため、この日の写真は少ないです。受付は、物凄い田舎にある割にはこぎれいでした。

水着に着替えてヨット乗り場へ。ヨットはこぎれいなものの、普通のボートみたいにヘリがある訳ではなく、イカダチックな感じで、簡単に水に落ちてしまいそうなシロモノでした。しかし、このヨットが予想以上に快適で、帆船ってこんなにスムーズに走るものなんだと感動しました。風向きや進行方向に合わせてロープを手繰るガイドの姿はかっこよかったです。

防水カメラ不保持のため写真は無いのですが、まずは足のつく浅瀬に連れていってもらい、カリビアンブルーとも少し違う、きれいな湖の姿を一望します。ここの水は暖かく、海と違って大した波もないので、昨日のスノーケリングよりものんびり泳ぎを楽しむことができました。パーティの満足度は、昨日のイスラ・ムヘーレスを遥かに上回っていました。

ヨット乗り場。帆は畳まれていますが、左に見える白いのが我々のヨットです。それから湖の景色。写真の時は曇っていましたが、晴れてるいる時の穏やかで心落ち着く湖の色は本当に素晴らしかったです。

その後、マングローブみたいな林の辺りでスノーケリング。鮮やかなトロピカルフィッシュがいるわけではなく、水中を見てもあんまり楽しいことはありませんでした。ただ、波もないし湖はキレイだし、泳いでいるだけで十分楽しかったです。

帰りは帆を全開にして、かなりのスピードで敢えて水飛沫を喰らうようにして帰ってくれるエンターテイメント付でした。

魔法が解けた後のトラブル – 自動車キーが反応しない…

みんなご満悦の表情で車に戻りましたが、なんと車の鍵が開かない。。どうやら最後のエンターテイメントの際に車のキーが浸水してしまったようです。無理やり鍵穴に突っ込んで開錠したら警報音が鳴り出しました。案の定エンジンはかかりません。ツアーのスタッフにヘルプを求めて、スペイン語の取説をもとに作業してみてもらっても、ウンとかスンとかしか言わず、エンジンが完全にかからない。お手上げだということで、そのままスタッフさんがスぺイン語でレンタカー会社に連絡してくれました。その結果、、

「今からカンクンの営業所からヘルプに来るから、5時間くらい待っててだってさ。」

この時すでに18時。とはいえどうしようもないので、ツアー会社の受付ゾーンでタコス食って待たせてもらうことになりました。なんか、だいぶメキシカンな展開になってきました。。

メキシコの奇跡 – 友達のフレンドのアミーゴ

タコス食ってレンタカー会社を待っていると、ここのキャンプ場に泊まりに来た旅人たちが「どうしたんだい?」と次々に話しかけてきて、手持ちのアーミーナイフでキーを分解して水を出そうとトライしてくれたり、スペイン語でレンタカー会社との連絡を手伝ってくれたりと、みんなが手を差し伸べてくれました。この人達のヘルプでは車は直らなかったものの、色々と励ましてくれました。場所柄のせいか旅慣れた人達ばかりで、旅人同志の助け合いや触れあいの精神のようなものが強く、そんな人達に構ってもらえたことで、心情的にすごく救われました。

そうこうしているうちに、連れの日本人が、「近くにガソリンスタンドあったと思うからヘルプを求めてくるわー」と言って出かけていきました。「(あ、いや、大人しく待ってようよ)」と言いかけたものの、トラブルで判断力を失っており、そのまま行かせてしまいました。そしたら、

………………帰ってこない。。

結局、彼は2時間たっても戻ってこず(ガソリンスタンドは徒歩15分程度の場所)、我々は再び小パニックに。道も決して明るいとは言えない不案内な異国の地で、一人で行かせたのは馬鹿だったと後悔しながら、とりあえず彼の携帯に電話してみます。

My携帯「とうるるるるるるる るるるん
チャイナ “The cell phone is shaking in our car!”

みなさん、携帯は携帯しましょう。ということで、この状況で携帯電話を置いていったアホな日本人を捜しに行くかどうか検討を開始しました。この時点で、テレビでよく見る、雪山で遭難した時の謝罪会見のテレビ中継や自己責任という言葉が脳裏をよぎり始めました。

まずは情報収集。「この辺はガソリンスタンドまで夜道を一人で歩いても大丈夫か」とツアースタッフに聞きました。「全然問題ないよ」とのことで、自転車も貸してくれたのですが、メキシコ基準で全然問題ないと言われても、正直不安しかありません。。とりあえず私が捜しに行ってくることに。

ナビアプリもあったので、ガソリンスタンドまでは簡単に辿り着きました。「自分みたいな日本人がヘルプを求めてこなかった?」と聞くと、「ああ、きたね、うちじゃダメだったから向こうのガスステーションに行ったよ」とのこと。何かのRPGみたいになってきた…

自転車でさらに10分ほどのガスステーションで再び尋ねてみると、「ああ来たよー。スタッフ連れて30分くらい前に帰っていったよ、すれ違わなかったかい」との回答。「サマルトリアかよ!」と思ったそのとき、私の携帯にチャイナから、「今○○(アホ日本人)が帰ってきた!」とのテキストメッセージが届きました。。

とりあえず一安心してツアー会社への道を引き返していると、最初に訪れたガソリンスタンドの近くでガコン、と自転車のチェーンが外れました。もうヤダ…。今日はとことんツイてないなと落ち込んでいたら、ガソリンスタンドのおっちゃんが手伝って直してくれました。もう嬉しいのか悲しいのか分かりません。

ちなみにガソリンスタンドへの道は終始こんな感じでした。連れは、「人が歩いているから大丈夫」だと判断して突き進んだそうですが、ここメキシコだぞ。。

何はともあれ、ツアー会社に戻るとなんと車が直っていました!正確には、キーのリモコンは直っていませんでしたが、エンジンはかかるようになっており、まがりなりにも出発できる状態になりました。なんでも、最後のガソリンスタンドのスタッフの、友達のフレンドのアミーゴである電気屋のおっちゃんが対応してくれたそうです。

ガソリンスタンドに行った友人は、我々の心配をよそに、今回の体験が武勇伝だったかのごとく、誇らしげに「メキシコ最高」とシャウトしていました。無事で何よりでしたが、一歩間違えば謝罪会見&自己責任コースだったので、海外では、治安・交通手段・通信手段にはもう少し気を配りましょう。

このクソアメ車からの卒業 – 可哀想なメキシコ人スタッフと我らが日産

車は発進できる状態になったのですが、このクソアメ車は手動でトランクが開けられず、ホテルに着いても荷物が出せないのは困るので、引き続きレンタカー会社を待ち続けました。しかし、深夜12時を過ぎてもレンタカー会社は一向に現れなかったので、仕方なく今晩のホテルに向かうことにしました。

今日のホテルがあるチェトゥマルという街(車で30分くらい)に向かう途中、ようやく電話があり、先ほどのツアー会社にレンタカー会社のスタッフが到着したとのこと。さすがに6時間かけてカンクンから来たスタッフを無下に扱う訳にもいかず、「すぐに戻るから待ってて」と伝え引き返しました。レンタカー会社の人は、「キーが濡れてるね」とだけ確認して、書類にサインを求め、自分が乗ってきた車に乗り換えろと言ってきました。可哀想なことに、この人はこれからこのポンコツのアメ車でカンクンまで5時間かけて帰るようです。メキシコ人見直しました。いや申し訳ねえ。

そうして手に入れた代車はなんと我らがNISSAN。ステアリング・アクセルともに先ほどまで乗っていた自動車の形状をしたメリケン製のガラクタとはまるで別物です。かくして、災い転じて福となし、変な経緯で愛国心を強めながらホテルへ再発進。なお、このルートは「夜運転しても大丈夫」とカンクンのホテルで聞いていたのでさほど警戒していませんでしたが、時間帯的に交通量も少なく若干怖かったです。ちなみに、ユカタン半島の南西側内陸部は夜運転するとアウトだそうです(理由はもちろん強盗)

結局ホテルに着いたのは夜の2時半くらいでした。Capital Plaza Hotel(キャピタルプラザホテル)という、泊まるだけなら十分なビジネスホテルのような感じのホテルで、国境の街という性質もあってかこの時間でもフレキシブルに対応してくれました。

この旅行で最高の出来事と最低の出来事が一気に発生したこの日は、さすがにみんな精も根も尽きて、明日は遅めの出発にしょうとだけ決めてダウンしました。

強行日程ですが、明日は、今日来た道を半分以上カンクン方面へ引き返し、Xplor(エクスプロル)という人工リゾートテーマパークを観光します。

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