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弁護士と旅

気分は青キジ、ロス・グラシアレス国立公園でアイス・トレッキング! (vol. 5)

弁護士と旅

スケールがロギア系 – ロス・グラシアレス国立公園

本日は待ちに待った氷河トレッキングに向かいます。朝7時30分頃にホテルに送迎バスが来ました。バスに乗り込み他の乗客の足元を見ると、スニーカーの乗客も多かったので安堵しましたが、後ほど参加ツアーごとに大型のバスに振り分けられた際に全員消えました。とはいえ、乗換後のバスにもスニーカー・ランニングシューズみたいな靴を履いている同志が10%前後いました

バスで1時間ほどかけて、まずは氷河の展望台へ。公園の入口らしき所で、バスに係員が乗り込み入場料215ペソ回収してきました。(転載時追記:2019年から800ペソくらいになってますね。米ドルベースだとむしろ安くなってます。)

目的地が近づき、バスからの視界に氷河が入った瞬間テンションが跳ね上がります。あまりのスケールの大きさに、やはり最強はロギア系だと思い知らされます。ゴムじゃ無理です、覇気とかで何とかなる次元じゃありません。しかしこの上を歩くとか意味不明です。どこを?どうやって?との疑問を抱かずにはいられず、興奮と恐怖が入り混じります。

展望台から氷河全景を観察 – 氷河崩落の響き

その後、ガイドから展望台近くの国立公園内唯一のホテルについて紹介を受けましたが、1泊10万円というレベルです。こちらのホテルには氷河以外何もないし、エル・カラファテも味のある街なので、氷河オタクでない限りエル・カラファテに滞在するのが無難でしょう。

展望台から見た氷河、圧倒的です。ここは氷河の崩落が見られることで有名で、「ピキッ、パンッ」と前兆っぽい音が鳴った後、「ドドドドド梨汁ブシャー」と大崩落が起きることがあります。夏場の12月~3月がねらい目と言われているとおり、この日は、約1時間展望台に滞在している間に2回崩落を見ることができました。

船で乗船地点へ

展望台にはこんな感じで通路が整備されていますが、それなりに広くアップダウンもあるので、割と体力を削られました。氷河の崩落を待ったりしながら巡っていると、あっという間に集合時間になりました。再出発し、近くの乗船所から船に乗って氷河の側の陸地まで向かいます。


こんな船。船から見る氷河もなかなかです。

船を降りると、ツアー会社自作のうさんくさい像が出迎えてくれます。ここで、英語チームとスペイン語チームに振り分けられ、少し歩いたところにある小屋で簡単な説明を受けます。氷で怪我するから手袋を付けろと言われますが、小屋に軍手が備え付けてありタダで貸してくれます。


この日の仕切り屋っぽい人、パブロ氏。

アイストレッキングの前に普通のトレッキング

さあ、説明が終わりアイストレッキングスタート!という訳にはいかず、氷河上陸地点まで移動。軽めの山道を45分~1時間ほど歩きます。

…体力落ちてて正直キツイっす。道中には滝もあり、割と立派だなと思いましたが、数日後、イグアスの滝を目にした瞬間この滝の記憶は消え去りました。

氷河上陸地点の手前の休憩所で、アイゼン(氷河歩行用の靴。シューズ履いたままこれをさらに履く)とマワシみたいな救命具を配布されます。アイゼンのサイズを合わせてくれますが、ランニングシューズを履いていることには何も突っ込まれませんでした。マワシには命綱っぽいものがついていますが、終始どこにも繋がなかったのでこのマワシを装着する意味が全く分かりませんでした。視界が悪くなった時にお互いを繋いだりするのかも知れません。少なくともこの日は役立たずでした。


アイゼンサイズ合わせ&マワシ装着。ここで、「女性は上の方に女性用トイレ小屋があります。男性はそこらへんに茂みがあります(察し)」との説明とともに最後のトイレ休憩。そしてようやく氷河の上陸地点に到着。

上陸地点でスタッフが一人一人にアイゼンを装着してくれます。だいたいのスタッフは”Where are you from?”と談笑しながら作業をしていたので、自分も「ジャペァン、ジャペァン。」と言う心の準備をして待っていたのですが、担当は無言。もとより脆弱な心が折れました。私の側にいた人達は、シアトルやオーストラリア等から来たと言っていました。

気分は青雉 – アイストレッキング!

そんなこんなで上陸準備が完了し、アイストレッキングスタート!氷上は思ったよりも歩きやすく、アゲアゲのテンションも手伝って足取りは軽くなります。歩き方のコツも教えてもらいましたが、つま先やカカトから部分的に接地せずに、足の全体で氷を突き刺しながら歩けば基本的に問題ありません。

10人ずつのチームに分かれ、こんな氷河の上をザクザクと歩いて行きます。

天然のピュアウォーター – 氷河の水は飲料可


あちこちに見られる吸い込まれそうな青色の水。氷河の水はきれいで飲めるということなので、空のペットボトルに入れて試してみました。普段飲んでいる飲料水は不純物が味を出しているのであって、純水な水はマズいと聞いたことがありますが、普通にオイシかったです。

クレバスや氷の洞窟 – 基本的に危険は感じない

落ちたらオワタ式のクレバス。とはいっても、落ちそうなほど大きなクレバスの側はガイドが避けてくれますし、アイゼンもしっかり氷に食い込むので、危険を感じるような場面はありません。ただ、透明な氷が張っていて実際には深い場所が多々あり、氷の力を過信して踏みつけるとドボンする箇所があります。ランニングシューズは大変通気性が良く、冷水を存分に靴の中に通してくれました。めっちゃ冷たかったです。ランニングシューズはダメだと言われた理由がようやく分かりました。

上手く氷が解けると洞窟ができるのですが、この日私のチームが見ることができたのはこれで最大。これは結構ショボイほうだと思います。

変わり映えのしない光景に徐々に疲労感が蓄積

最初は氷河の雄大さに心を躍らせながら歩いていましたが、次第にその雄大さが重くのしかかります。正直、体力が尽きてきて、景色もそこまで変わらないため、心身ともに疲れます。歩けば歩くほど復路の道のりが長くなるはずですが、その現実から必死に目をそらしながら黙々と歩き続けました。

この日は気持ちいいくらいに晴れており、長袖Tシャツ一枚に真冬用のごついアウター1枚だけでも歩行中は暑かったです。とは言っても、山から吹いてくる風がとても冷たいので、アウター・帽子・マフラー等の風よけになるものは外せず、ずっと汗ばみながら歩きました。日射しは温かいのに、雲がかかると一気に寒くなるので、夏でも十分に寒さ対策しつつ、調整可能な恰好で行く必要があります。なお、日本であれば夏至に近いような時期であり(なお、学問的には、南半球でも北半球と同じ日を夏至(6月)・冬至(12月)と呼ぶようです)、氷の照り返しもあって、アメリカ製のしょぼい日焼け止めは役目を果たせず痛いくらい日焼けしました。

折り返し地点に到着 – 帰路は当然同じ光景

何とか折り返し地点(といっても何か目印があるわけではなく、見晴しのいいところで適当に終わります)に辿り着き、氷の上で昼食をとります。ホテルが用意してくれたのは普通のサンドイッチとリンゴでしたが、こんな気持ち良い場所でランチすることは二度とないでしょう。

休憩地点からの景色。この雪山から風が吹いてくるので、死ぬほど冷たいです。振り返っても、出発地点はもはや遥か彼方で見えません。

帰り道はひたすらしんどい

30分程度でランチ休憩は終了し、帰路につきます。当然、何か便利な乗り物が迎えに来てくれるわけでもなく、隠れたショートカットが存在するわけでもなく、往路と同じように氷の上を歩いて帰ります。往路では氷河でできた斜面をジグザグに進んでいたのですが、復路は、斜面を横にぶったぎって一直線に帰っていきました。疲労で、周りの人達の会話も激減していました。

日ごろから運動している人や、昔スポーツに打ち込んでいた人(かつまだメタボになってない人)であれば乗り切れると思いますが、体力に自信のない人はミニトレックにしておいた方が無難です。多分、見える景色はミニトレックでも大きな違いは無いと思います。

また、斜面を横に歩き続けるので、足首への負担が大きいです。防水性と足首防護、これらの観点からは確かにトレッキングシューズが適しています。日頃から運動しており足首も柔軟というスポーツ系の方ならスニーカーで乗り切れますが、足首の怪我と水たまりには気を付ける必要があります。

無事帰還 – On the Rockでアイスロックに乾杯!

そんなこんなで、命からがら出発地点まで帰ってきました。氷の上で、氷河の氷でオンザロックを作ってくれるという噂を聞いていましたが、ビッグアイス組には帰りの船で振る舞われるみたいです。どうしてもon the rock × on the rockしたい人はミニトレックに参加しましょう。

さらばペリト・モレノ氷河。帰る間際にもう一度大崩落が起きて、みんな氷河からの餞別だと盛り上がっていました。

船に戻ると、氷河の氷で作ったウイスキーロックを渡されます。みんな充実感に満ち溢れており、私も、アメリカから来ていた数組の旅行者と乾杯して盛り上がりました。一緒に話していたアメリカ人が「富士山よりきついぜこれは」とか言うので、「行ったことあるの?」と聞いたら、「無い」そうです。ともあれ、結構な体力とお金を消費しますが、間違いなく参加する価値のあるイベントでした。

エル・カラファテの中心街に戻ってきたのは18時頃でした。氷河ツアーは朝に出発して夕方以降に帰ってくるほぼ一日がかりのツアーが多いです。また、パタゴニアは風が強く、飛行機の遅延等も多いと言われるので、その辺も考慮してスケジュールを組んだ方が良いです。

この日はLa Vaca Atada(店頭の牛の看板が目印)というお店で食事をとりましたが、昨日に比べるといま一つでした。ポンコツになった体を引きずりホテルに帰りますが、緯度が高くメチャ外が明るいのと、トレッキングのせいでハイになっていたので眠りに就けず、ホテルのバーで飲み直しました。結局、23時30分くらいまで日が沈みませんでした

今日は非日常に浸り続けた最高の一日でした。明日は別の氷河へのクルージングに参加して、パタゴニアを去ります。

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