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弁護士と旅

氷河への玄関 エル・カラファテ (vol.4)

弁護士と旅

パッキング詐欺? – パタゴニア旅行の拠点エル・カラファテへ

この日は朝8時ころの便でエセイサ空港からエル・カラファテへ。国内線はホルヘ・ニューベリー空港発着が多いようですが、エセイサからもいくつか飛んでいます。

ホテルの送迎で空港まで行くと、入口の手前で制服っぽいものを着た兄ちゃんに呼び止められ、“Hey! You need to wrap the bag.”みたいな事言われたので、深く考えずにスーツケースのラッピングをお願いしたら、100-200ペソ(10-20ドル相当)請求されました。変な国だなと思いながらスーツケースを引きずりチェックインへ。

…誰もラッピングしてねえやん。

しかも、カラフルなラッピングで目立つので、「ああこいつ騙されてるワロタ」と周りから嘲笑されること間違いなしです。ターミナル入り口の真ん前だったし、空港職員的な服装してたから義務だと思ったんだよぉ。。

写真は別のターミナルの機械ですが、これを使ってこんな感じにラップされます。

人生初の経由便とアルゼンチン航空の無礼なCA

エル・カラファテ行きで利用したのはアルゼンチン航空(Aerolineas Arzentinas)。南米ではたまに見る経由便で、経由地行きの客と最終到着先行きの客を一緒に乗せて出発し、電車やバスみたいに経由地で客を途中下車・乗車させて最終地へ向かう仕組みでした(なので乗り過ごしがあり得る)。私の便はエル・カラファテ経由で、ウシュアイアというパタゴニア最南端の街へ向かう便でした。

事前のリサーチでは、アルゼンチンの飛行機は遅延当たり前という話でしたが無事に定時出発・定時到着。機内から見える光景は平原・荒野・荒野・荒野といった感じで、広大だけど不毛でかえって不便そうな国土だなと思いました。

3時間強のフライトでしたが、CAがスぺイン語で飲み物について聞いてきたので、「イングリッシュ・プリーズ」と答えたら、なぜかスプライトを渡されたこと以外は、特に不満のない空の旅でした(本当はコーヒーを飲みたかったのですが、スプライトも美味しいので我慢しました)。

エル・カラファテに到着 – アルゼンチンの両替事情

そんなこんなでエル・カラファテに着きました。世界観的にはFF6の世界崩壊後です。無駄に光り輝く緑色のビニールで包装されたスーツケースを回収し、空港のバスカウンターへ。滞在先のホテル名を告げると、10ドルくらいで乗合バスにてホテルまで送ってくれました。旅行中のレシートも記憶も残っておらず、この旅行に関しては結構値段の表記は曖昧ですので金額間違ってたらすみません。

アルゼンチンペソの両替について

お金がらみで、両替等について少し。ネットで調べればすぐに出てくる情報ですが、アルゼンチンでは、インフレが激しくペソなんてすぐに紙切れになってしまう恐れがあり、みんな米ドルを求めます。一方で、建前上は両替規制が存在することから、銀行や正規の両替所の公定レートで両替するより、闇両替(「闇」というとキナ臭いですが、非正規の両替屋やその辺の店・人に両替を頼むだけ)でペソに両替するほうが遥かにお得です。ブエノスアイレスの街中に旅行者が良く利用する(そして良くだまされる)闇両替通りがあるようですが、僕は今回ブエノスアイレスの街中に行かなかったため、最低限の現地通貨を入手すべく初日のホテルで両替をしてしまいました。

ホテルの兄ちゃんは、(当時の)公定レートは1ドル=8.5ペソくらいで実際の相場は1ドル=13ペソくらいかなと正直に言いました。交渉したのですが非公定レートは使えないと頑なに言うので、やむなく言い値で約200ドル両替しました。

なお、今回訪れたエル・カラファテとイグアスでは基本ドル払いOKでした(ペソが必須なのは国立公園の入園料くらい)。ブエノスアイレスから離れるとドル払いはレートが悪くなるという情報もあったものの、この二大観光地ではそうでもありませんでした(イグアスで1ドル=11ペソくらい、エル・カラファテでは1ドル=12ペソ-13ペソくらいだったと思います)。いずれにせよ、為替は不安定なので事前の情報はあまり正確な値でなく、さらにインフレしたりしてころころ各種レートは変わってると思っといたほうが無難ででしょう。なんせ、国が借金返さずに開き直るようなところですから。(転載時追記:転載時のレートみたら、1ドル=90ペソくらいになってる…)

ホテル到着 – なぜカップル向けのホテルにした…

バスで乗客の各ホテルを回ったのち、滞在先ホテルに到着しました。今回滞在したのは、Hotel La Cantera (ホテル ラ カンテラ)

出発日にホテルから、 “For us information, pleas tell us check-in timeとかいう全体的に文法の怪しいメールが届いたので英語が通じるかやや不安でしたが、普通に自分より上手でした。イグアス、エル・カラファテのホテルやお店は英語で問題ありませんでした。タクシーの運ちゃんは結構だめかも。

部屋に通されてまず思いました。なんでトリップアドバイザーに「カップルで泊まるのがお薦め」と書いてあるのにこのホテルにしたんだろう。。独りで虚しくなるばかりでしたが、同サイトのレビューどおり、眺望よし・部屋広し・立地結構良し・ジャグジーあり・スタッフ親切と、満足のいくホテルでした。

ツアー手配とセントロ散策

こんな部屋にいても寂しさ募るばかりなので、翌日のツアーの申し込みをするため、フロントで地図をもらい中心街(セントロ)へ向かいます。フロントでも仲介してくれるのですが、散歩がてらツアー会社に訪問することにしました。

ホテルは丘の上にあり、坂道を徒歩で10分ほど下っていけば街に着きますが、傾斜がキツイので帰りはしんどいです。日本でのリーマン生活と先日までの期末試験でたるみきった体にはこたえました。ホテルに言えば夕方以降はシャトルバスを出してくれるとのことでしたが、風景を楽しむべく徒歩で移動しました。

中心街(セントロ)はキレイで、多くの観光客がいながらも穏やかな雰囲気のとても落ち着く街並みでした。南米とはいえ、特に治安に気を遣う必要もないと思います。端から端まで徒歩15分程度であり、基本この周辺で用事は済みます。

氷河トレッキングツアー – HIELO Y AVENTURA 

まず訪れたのはHIELO Y AVENTURA 社(英訳すればIce and Adventure)。地球の歩き方にも載っているメジャーなツアー会社です。氷河クルーズを含む各ツアーを扱っていますが、目玉は、一番人気の氷河、ペリト・モレノでのアイストレッキング。氷河の先端付近を行く歩行時間約1時間半のミニトレッキングと、氷河の奥の方まで向かっていく歩行時間約3時間のビッグアイスというプランがあります。

ロースクール仲間と行く予定だったときは、個人の体力差もあるのでクルーズだけで良いと考えていましたが、独りにされて自暴自棄でエクストリームに行きたいと思ったのでビッグアイスにしました。なお、普通に健康なら、ミニコースでも良いからトレッキングは挑戦したほうが絶対いいです。クルーズだけは勿体ない。

値段は1680ペソ(レシートあり。国立公園入園料215ペソは別途)と結構しますが、その価値はあります(転載時追記:前回記事にも書いたとおり、転載時にはハイパーインフレしてます)。ビッグアイスはハイシーズンは前日予約では厳しいこともあるそうですが無事空いてました。翌日のクルーズについても聞いてみたら一杯だと言われたので、滞在期間が限られている人は事前に手配しておくのが無難かもしれません。

健康アンケートみたいなのを記入して(正直、医学用語は英語でもさっぱりです)、ツアーの説明を受けます。説明の中で、“This is very important”と念押しをされたうえで「トレッキングシューズを持ってこい(ランニングシューズもダメ)」と言われました。先人達のブログは「スニーカーやランニングシューズ、果てには革靴でも大丈夫だったぜ」という生存バイアスで溢れかえっていたので、この説明ぶりには少しビビりました。セントロのノースフェイス取扱店で探しましたが、200ドルもしたので、結局、先人たちを見習い持参したランニングシューズで挑戦しました

氷河クルーズ – Chalten Travel

翌々日の手頃なクルーズを探すため、今度はChalten Travelという別のツアー会社へ。できれば、ウプサラ氷河とスペガッツィーニ氷河という、トレッキングとは別の氷河を巡るツアーを見つけようと思っていました。入口には色々ツアープランが掲示されていますが、ペリト・モレノ氷河が行先に混ざってしまっており、希望に完全一致するものは見あたりません。とりあえず乗り込んで相談してみることに。

ぼく:夕方(17時35分)のフライトに間に合うクルーズツアーに参加したいんだけど。。難しいかな(モジモジ)

担当:残念やな坊や、そんなんウプサラ・スペガッツィーニ行のクルーズしかあらへんで。

(;゚Д゚)ビンゴすぎる

ということで、一瞬で理想のプランをゲットしました。いくらだったか忘れましたが、17ドルと70ドルを間違えて払おうとした記憶があるので、117ドルだったんじゃないかと。スぺイン語のアクセントは基本後ろにあるせいか、この手の”(seven)teen”と”(seven)ty”の聞き間違いが結構ありました

地球の裏側まで来てスシ – うっせえシカゴはメシまずいんじゃ

ツアーの手配も終わり昼飯へ。FUJIという寿司屋さんを目指します。外からは店内が暗く見え、”ABIERTO”との掲示が”OPEN”の意味だと分からずお店の前で5分程まごついてから入店。

…店内はめっちゃ日本。「マウントフージー」とか叫んでる現地人がなんちゃってスーシーを提供しているのかと思っていましたが、普通に日本人のご夫妻が経営されてました。逆に面喰らってしまい、すごく静かな店内の雰囲気もあいまって、特にご夫婦と会話することもなく黙々と寿司を頂きました。「明らかに日本人な奴が独りでこんな辺境まで来てるんだから、何か質問くらいしろよ、頼むしてくれ」と思いましたが、終始無言でした。味も値段もまあイケました。メシマズのシカゴで暮らしている自分にはやたら美味しかったです。

特に行く価値はない二メス湖

これで本日はすることがなくなってしまったので、暇つぶしに町はずれのニメス湖に向かいます。セントロから徒歩で20分程度かと思いますが、ニメス湖のある公園内は広く、一周するのに1時間半くらいかかります。

 

こんな感じで、レイクサイドビーチもあり、だだっ広い干潟に水鳥が多少いますが人間はいません。時間が余っていればトライしても良いですが、敢えて時間を割く場所では無いです。

夕飯 – アルゼンチンはやっぱり肉

再度セントロに戻り、ぶらぶらしたあと夕飯に。La Tablitaというセントロの東端から5分程度歩いたところにあるレストランで、地球の歩き方のおススメどおり、アサードと生ハム(そしてビール)を頂きました。アルゼンチンは肉料理がメインですが、無駄に高いシカゴの外食に比べれば料理はそこそこイケてる国だと思います。

大いに満足しホテルへの帰路に。セントロとニメス湖を随分歩き、酒も回っていたので、ホテルへの坂道はエグかったです。ホテルで明日のツアーのための弁当を注文し(ランチ持参要)、バーでもう一杯ビールを飲んで就寝。明日はエル・カラファテでの最大のハイライト、ペリト・モレノ氷河でのトレッキングに臨みます。

ホテルから、遠くに地味な花火があがっているのが見えました。地球の裏側の最果ての地で独りぼっちで見る花火、乙ですねぇ…

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