英語の中で、平均的な日本人が苦手としているのがリスニングとスピーキングだと思います。私自身も相変わらずこの二つが比較的苦手なままでいます。
今回は、リスニングについて書いていこうと思いますが、まずは、はじめにやった方が良いと思われる発音の改善について触れたうえで、リスニングの学習素材について書いてみようと思います。
発音の改善 – 英語耳の養成
発音について調べてみると、「発音できない音は聞き取れない」的なフレーズがしょっちゅう出てきます。これについて、個人的には半信半疑ですが、100%ではないにせよ正しい部分もあるのかなと思っています(鵜呑みにすると後でガッカリします)。あとは、スピーキングに関して発音を矯正しておくと伝わり方にかなり差が出ると思っています。また、語彙力や流暢さは英語を使う頻度が減ると一気に劣化していくのですが、発音についてはそれがあまり無いと思うので、改善にトライして損することは無いように思います。
発音矯正の教材
私も、留学前にリスニング向上には発音が大事という商売文句を信じて、TOEFL対策中に「英語耳」という本を買いました。
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内容は悪くなかったと思いますが、時間をかけて取り組めなかったことと、第三者から客観的なフィードバックを受けられなかったのが勿体なかったです。自分では正しく発音できているかが分からないというのが発音練習の難しいところです。なお、この本で今でも覚えているのはRとYの発音方法です。
まず、Rの発音の仕方が中学校で習ったのと違っておりこの本を読む前と後で劇的に変化しました。いわゆる「舌を巻かない」というやつです。また、Yについては”ear”と”year”の違いをハッキリさせられるようになりました。我流ですが、”year”の「イ」はトータス松本の「イェーーーイ、(君を好きで良かった)」やチャゲアスの(ィ)ヤー(ィ)ヤー(ィ)ヤーをイメージすると良くなります。
留学中は、ロースクールがおススメしてくれた、Carnegie SpeechのNativeAccentというソフトウェアで練習しました(300ドルのところ学割で75ドル)。何より機械的に発音を採点してくれるのが良かったです。先ほど述べた英語耳のように発音の仕方を記述的に説明した書籍と併用して、その通りに発音できているか機械や第三者に採点してもらうのが効率的だと思います。巷にどんなサービスがあるのかはあまり知らないですが、とにかく、誰かにチェックしてもらう形で練習するのが望ましいと思います。
特にLLMの留学界隈では割と有名(と思われる)渡邊弁護士が、英語発音学校のジングルズをおススメしているようなので、気になる人はトライしてみると良いと思います。ざっと見た感じ、良い感じのスパルタで「英語話すと口が疲れる」現象が解消されそうです。でも、いきなりやるにはお高いかも…。比較的安価なオンラインコースとそれ以外の内容の差異が気になります。
特に、英語発音学校のジングルズはTOEFLのスピーキングでお困りの留学希望者にもとてもお勧めです。
— Hiroshi Watanabe (@Hiroshi99857672) April 26, 2019
オンライン受講も可能ですし、お風呂に入ってる時とか隙間時間だけで発音訓練の継続が可能です。
ジングルズで発音が安定した後はTOEFLスピーキングがかなり楽になり、得点源にすらなり得ます。
彼の「〇〇の研究によると…」ともっともらしく聞こえるMBA関係のツイートは話半分に聞いたほうが良いですが、こと英語学習ツイートに関しては真理を突いているものばかりだと思います。何よりも、「日本人がネイティブレベルになるのはそもそも無理」「英語は一生勉強が必要」と考えているっぽい所に強く共感します。
リスニングの学習素材 – 結局英語ドラマ
こんな記事を書くなら名案出せよと思うかもしれませんが、正直、リスニングは今でも何やるのがベストなのか良く分からないです。結局、英語ドラマや映画に行きつくのかなと思っていますが、最近自分がトライしてみた教材について触れておきます。
英語ドラマ、映画 – 字幕は使いわけて繰り返し観ろ
もともとドラマも映画も全然観ないタイプですが、アメリカにいる間は、Netflix(当時は今のような配信形式でなく、郵送でのDVDレンタル(月定額)が主流)で、昔の映画やテレビドラマシリーズを見ていました。日本に帰ってからは普通にストリーミングで見ています。
劇的にリスニング力が向上した実感はありませんが、生きたリスニング教材としてはマシな方かなと思います。まあ、ドラマ見るだけで英語力が一気に改善するなら既にみんなペラペラです。
ドラマや映画を見るにあたって字幕はどうすべきかという疑問があると思います。割と見解が分かれるところだと思いますが、英語字幕/日本語字幕/字幕なし、それぞれメリット・デメリットがあると思います。
1.字幕無し
字幕無しのメリットは当然、実戦の環境に近いということです。他方で、ある程度聞き取れている場合には聞き取れてない部分を無視し続けることも多く、ほぼ聞き取れてない場合にはすべて諦めてしまいがちになり、いずれにせよ、聞き取れない部分をそのままにしがちなのが字幕無しの悪いところだと思います。
2.英語字幕
英語字幕のメリットは、一応全てのセリフを認識するので、語彙力の向上にもなりますし、一見、何を聞き取れてないのかが分かりやすいです。他方で、本当は字幕のサポートのおかげで聞き取れているだけ(≒無意識に字幕を読んでいるだけ)なのに、実力で聞き取れていると勘違いしがちになるのが欠点だと思います。
3.日本語字幕
日本語字幕(&英語音声)なんて論外というイメージを持つ人も多いと思いますが、かなり聞き取れるレベルの人(留学帰りくらい)にとってはアリだと思っています。音声的には直接的なヒントはありませんし、「日本語がコレなら英語ではこういうセリフを話すだろう」という推測をしながら観るのは、伝えたいことを英語にする練習にもなります。意訳も多いので、プロの翻訳者が日本語にするとどうなるのか、意訳する場合はどう表現するのかを見るのも中々面白いです。ただやっぱり、英語音声を意識しないともはや英語の教材では無くなってしまうのは大きなデメリットだと思います。
こんな感じでどれも一長一短で、どれがいいかは自分のレベルや作品の内容次第であり、適宜字幕の有無を切り替えたりシャドーイングするなど、学習の効果を出すには一定の工夫が必要だと思います。ある作品を一回見て終わりというやり方は効果が薄いと思います。
Ted – TOEFLの勉強には有効
Tedのスピーチにハマっている時期もありました。字幕も付いているし、内容的にも長さ的にも、TOEFLの勉強に利用するのにかなり適している気がします。スタンフォードの卒業式(Commencement)でのジョブズのスピーチなんかは、やっぱり感動します。ただ、パターンがお決まりというか美辞麗句ばかりというか、ずっと見てるいるうちにお腹一杯になったので、最近はもう見ることもありませんね。例えば、あらゆる国内のシンポジウムを巡り回っても大して実りある経験にならないでしょ?それと同じです。
その他
あとは特別にこれが良いというリスニング教材を知っている訳ではなく、どこが聞こえてないのかをシャドーイングなどで意識しながら続けるなど、リスニングの基本を外さない限りは、CNNやBBCのニュースでも、巷で流行っている英語アプリでも、何でもいいのではないかと思います。大事なのは、「英語学習は一生終わらない」っていうことを意識しておくことかと。
ただ、これらの教材を聞いてもネイティブの日常会話とは全然違うので、そのレベルに達するのは難しいです。ネイティブ同士の会話だけは、全く聞き取れないからいつまで経ってもリスニング力が向上しないし、これはもう、ネイティブと深い関係になれたポカポンタス人だけが踏み入れることのできる領域かも知れません。
昨年は、年始のエントリーでも触れたアルクのヒアリングマラソンという、年間1,000時間のリスニング時間を確保するというスパルタ教材に手を出し、ノルマこそ諦めたものの細々と続けています。教科書っぽい英語を聞く機会を確保するには悪くないと思っています。内容的には上級者には物足りない感じですが、英会話教室などに比べれば大した値段では無く、かつ、「これだけ払うなら多少はマジメにやるか」と思うには十分な価格かなと思います(なんだそりゃ)。
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