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弁護士とカネ

四大就職してもお金貯まらない – 年収1200万の暮らしとは

弁護士とカネ

今年はコロナバブルと呼ぶにふさわしい勢いで株価が高騰していますが、今日はカネまわりの話をしようかなと思います。といっても、「投資で儲ける〇個のテクニック」みたいな話では無く、法律事務所時代の自分のルーズな金遣いをだらだらと綴っていくだけです。

修習生時代 – 税金はお酒に消えていく

大学から東京に出てきた一人暮らしの学生あがりだったので、修習開始時点の貯金はほぼゼロ、借金は無利息の奨学金が250万円ほどありました。学生時代は学生寮に住み、生活費は奨学金と仕送りでやりくりしており、バイトもせいぜい月数万円程度というレベルでした。司法修習生として最初に給料をもらったときは、「勉強しているだけでこんなにカネもらっていいの?」と驚きました。

税金で法曹になるための勉強をしているので大事に使わせて頂こうと思いながらも、給料はだいたい飲み会と旅行代に消えました。地方の和民レベルの居酒屋にしか行ってなかったのに気づけばお金が無くなっており、実務修習の引越代を同期に無心したり、弁護士になるときの敷金・礼金のため事務所から70万借金するなど、カツカツの状況でした。実務修習中は、家賃は月5.5万円くらいで街中のど真ん中にある家具付きの狭い家に住んでました。

修習生時代は、派手に贅沢はできなくとも、貧乏学生時代に比べれば遥かにゆとりのある生活ができましたし、地方の弁護士に奢ってもらい分不相応な贅沢もさせて頂きました。

新人時代~留学まで

ブル弁デビューと勘違い – 年収1,200万って大したことない

弁護士になって最初に給料をもらったときは、謎の大金が降ってきた気がして変な感覚になりました。修習中に、同期から「ブル弁」(ブルジョア弁護士)と蔑まれた理由が分かりました。

住居は田舎の月5.5万円のアパートから、港区の月額17.5万円のマンションに変わりました(独身の若手弁護士の家賃相場は15-20万円前後と思います)。今までマルイやパルコで背伸びしてたのに伊勢丹で買い物するようになりました。

初年度の年収は1,200万円。税金やボーナスの比重の問題もあり、毎月の手取は70万円程度になります。ここから家賃や水光熱費に20万円、借金返済に10万円、食費に10万円と使っていると、自由に使えるお金はせいぜい30万円程度です。加えて、合コンに行ったり所員と食事に行ったりで調子に乗っていると更にお金は消えていきます(なのにモテない)。ですので、社会人として恥ずかしくないブランド物を買うお金に困ることはありませんが、グッチとかアルマーニとか、ただただ趣味の悪い「値段にしか意味の無いハイブランド品」を買い漁れるほどのお金は入ってきません。また、家賃17.5万円では、田舎なら3LDKの豪邸に住めますが港区では底辺です。年収1,200万円といっても、ブランド品も女も買い漁ってみたいな生活を夢見るのはやめておきましょう。

金銭感覚の壊れる瞬間 – 数百万円のボーナス

上記のとおり、年収1,200万円では東京の中心では大した贅沢はできないのですが、二年目にもなると、数百万円のボーナスがドカっと振り込まれます。ここで金銭感覚が狂ってBMW(稀にフェラーリ)やパテック・フィリップとか買う奴が出てきます。私は車に興味もないので、せいぜい数十万円のベッドや時計を購入した程度です。

毎年200万円ずつくらい年収が上昇していくので、5年働くと仮定すると、留学までに手取りで累計5,000万円くらいは貰えます。家賃と食費・生活費を多めに見て月40万円程度とすると、40*12*5=2400万なので、2600万円くらい余りガネがあるはずなのですが、留学の時に私の手元にあったのは約1,000万円でした。一緒に行く相手も暇も無かったので大して旅行も行ってませんし、残りの1,600万円がどこに消えていったのかは今でも謎のままです。といっても、1600万円を60月で割るとひと月あたり27万円くらいなので、服飾・遊びに15万円、贅沢な外食に10万円とかで消えていたとしても不思議ではないです。なお、留学生活のために1,000万くらいは貯金があったほうが良いと言われます。これは現実的な数値ですが、どうせ留学で使いきって再スタートするので、必要以上に貯め過ぎず、若いうちはどんどん散財しましょう。

留学時代 – 充実した生活の為には貯蓄必須、企業派遣組爆発しろ

留学中の事務所からの補助は、事務所によって違うし年々渋くなっているとの認識ですが、留学中はお金がかかります。特に、LA、サンフランシスコ、シカゴ、NYあたりの都市圏だと生活費は嵩みます。普通は、安全で金を買う観点から、単身の場合、月2,000ドル-3,000ドルくらいの家に住むことになるのではないでしょうか。私は、シカゴにいるときは月2,000ドル、NYにいた時は月3,000ドルのマンションに住んでいました。これに加えて子供がいる場合はもっと大変です。プレスクールの値段とか聞いてビックリしました。ちなみに、企業派遣組はこの家賃を会社に払ってもらっているくせに、「留学中は給料が7割しか出ないんだよねー」などと万死に値する発言を飛ばしてくるので邪険にしましょう

留学中にどれくらいお金がかかるかは、単純にどれだけ遊ぶか次第です。自分の場合は、アメリカに住む機会なんて二度と無いと思い、ここで全財産を使いきるという発想のもと、数百万円の借金までしてアメリカライフを堪能しました。

全米オープンテニスの決勝のチケットに3,000ドル払ったり、フランスまで全仏オープンテニスを見に行ったり、北中南米、ガラパゴスやイースター島を放浪したりした結果、かけがえのない思い出と借金を背負って日本に帰ってきました。なお、自分の場合は二年目の研修の給料が低かったのも困窮した原因です。NYの大手で研修する弁護士の多くがほぼ見学みたいな生活のくせに米国の新人と同程度の給料(1,500-2,000万円とか?)をもらう一方で、私は、意外と忙しい割にはその半分くらいしかもらってないという状況でした。当然、見学野郎と会うたびに殺意を向けていました。

ともあれ、みんな借金しないまでも留学中にある程度貯蓄を切り崩すと思います。そのおかげで、経済的に追い詰められて帰国後にまたあのブラックな環境で働く気になれるのです。

留学後 – 下げられない生活レベル

最近は留学に行く年齢にバラつきもあるため一概には言えないですが、留学から帰ってくる頃にはみんないい大人になっています。家族連れの場合、アメリカの環境にあてられすっかり意識高い系になってしまい、その生活水準を維持するため、事務所を辞めて年収下がるなんて許されないという環境に陥る人も少なくないでしょう。ともあれ、留学生活も十分満喫して、年齢的にも落ち着いてきて、贅沢するためより家族のために働く人が増えてくるのではないでしょうか。

自分も、帰国した頃には一通りの庶民の贅沢は試したなという感覚が強く、お金はあっても、以前ほど派手にお金を使うことは無くなりました。なお、数百万円の借金は帰国して一年もしないうちにさっくり完済しました

まあ留学後は、自分のように大人しくなっていくタイプと、引き続きギラギラした生活を好むタイプに分かれていく気がします。ギラギラした生活」と言っても、歳を取ってしまえばタダのキャバクラ通いかパパ活なので、見ようによってはイタいですけどね。

パートナーになってからのことはなれなかったので分かりませんけど、やはり一味違う世界が待っているように思います。やっぱりあの生活は羨望の眼差しで見てしまいます。

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