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実務修習① – 修習地の選択

法曹養成

前期修習が終わると、司法修習の中核と言って間違いない実務修習が各地で始まります。修習生が、各都道府県に散らばって裁判所・検察庁・法律事務所それぞれで研修することになるのですが、大都会で修習するのか、田舎で修習するのかで様相が多少変わってきます。ですので、まずは修習地の選択について少々語ります。

要点としては以下です。

 ① 保守的にいくなら大都会。しかし修習地の選択は田舎一択(就活組除く。)。那覇修習のリア充は爆発しろ。
 ② 田舎は財布に優しい
 ③ 田舎は人にも優しい
 ④ 田舎に住むチャンスなんて二度とない

①保守的にいくなら大都会。しかし修習地の選択は田舎一択(就活組除く。)。那覇修習のリア充は爆発しろ。

修習地の決まり方ですが、まず、全国の各都道府県の中から修習希望地をいくつか選んで申請します。希望申告にあたっての制限等(ド田舎も〇個希望に入れろとか)、色々と背景事情はありますが、面白味の無い人や就職活動等のある人は東京・大阪といった大都市を好みます。ちょっと背伸びしてみたい人は福岡・広島といった良く言えば丁度いい感じ、悪く言えば中途半端な場所を志向します。田舎を積極的に志向する人はあまりいません、なんせ田舎ですから。

田舎の修習は素晴らしいと良く言われるのですが、基本的に、田舎に割り当てた人は大抵ハズレくじを引いたと思ってやってきます(私もそのクチです)。なお、那覇修習という羨ましすぎる修習地がありますが、当然希望する輩も多く激戦区です。私のときは、那覇は新司法試験組に割り当てられていたのでノーチャンスだったのですが、那覇修習だった人間に会うと基本的に殺意を覚えます。那覇修習のリア充は爆発しろと思いますが、ここは特殊事例として捉えましょう。

結論ですが、就活に不安がなければ田舎一択と思いました。理由としては以下のような点からです。

②田舎は財布に優しい。

まず、田舎は飯がうまくて安いです。米どころに行けば日本酒はうまいし、九州は飯も焼酎もうまいし、田舎なので、値段も修習生の給料で十分美味しいものが楽しめます(本当に美味しいものは、弁護士にたかるしかありませんが)。

また、家賃もべらぼうに安いです。修習生の給料で住める家が中心地(中心地もさびれていますけどね…)にあります。東京で通勤1時間程度の家を借りるのに必要なお金で、市の中心部の裁判所まで徒歩5分みたいな家が借りられます。多少の地域手当の差はありますが、全国で同水準の給与が支給される修習生にとってこれはデカいです。

また、徒歩圏内なら終電も気にしなくていいので、遅くまで飲み明かしても余裕です(逆に言えば、逃げられませんが。)。これ重要です。

③田舎は人にやさしい。

田舎は、法曹コミュニティが非常に狭く、修習生に大変優しいです。今や時代も変わりつつありますが、法曹同士(裁判官検察官弁護士、さらには一部の裁判官検察官スタッフまで)はほぼ全員知り合いで、修習生はみんなの弟分として、大変可愛がってもらえます。「〇〇事務所の××先生は…」「あの裁判官は…」みたいに、他の法曹に対する見方について、それぞれの立場の本音トークが聞けるという、修習生の特権も最大限に活かせます。修習生の人数も多すぎず、都市部での修習に比べると、確実に深い関係が築けます。

また、田舎なので(?)、人々は大変温かいです。同期の友人は、山奥であぜ道に脱輪して、近所の農家に助けてもらいお茶までご馳走になり、人にやさしくされて自分の小ささを知りましたとほざいていました(そもそも、都会ではあぜ道に脱輪しませんけどね。)。

④こんな田舎、二度と住むチャンスはない。

大手の法律事務所に入って、ニューヨークやロンドン、シンガポールなどの大都会に留学・駐在することはありますが(アメリカのド田舎のロースクールに留学するケースも普通にありますけど…)、こんな日本の田舎に住む機会はなかなか無いので、見聞を深めるためにも、田舎に住んでみたほうが、人生の肥やしになるのではないでしょうか。

田舎のいいところはこんな感じなのですが、就活以外の理由で東京等の大都市圏を選ぶメリットはほぼ無いように思います(就活、大事ですけどね。あとは、恋人家族問題もありますが、修習はそこから逃れられる合法的なモラトリアムでもあります。)。

研修で見る事件の質も、修習生が扱うような事件は都会と田舎でさして変わりません。むしろ、田舎のほうがご当地訴訟とかあって面白かったりもします(温泉地の温泉訴訟とか、港町のナマコの密漁とか。)

まだ知らぬ土地に赴任した修習生は、みな同様に赴任地のことをベタ誉めしますし、「住めば都」ということを痛感しましたので、とりあえず田舎行ってみましょう、というのが個人的な見解です。

あえて都会のメリットを言えば、人数も多いので、影が薄くても淡々とやっていれば修習を終えることができることや、普通に便利ということくらいでしょうか。あと、そのままその都市で働く場合、就職前から一定のコネクションが築けるというのはそれなりにアドバンテージかも知れません。

結論:修習生よ、田舎に行け。

※10年以上前の時代設定です。

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