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司法修習 – 前期修習はカネの出るチュートリアル

法律時事

無事四大法律事務所の内定をゲットし、大学を卒業後、司法修習に乗り込みます。当時の司法修習は埼玉県和光市にある司法研修所での前期修習が2か月、全国各地に散らばっての実務修習が1年、和光の研修所に戻っての後期修習が2か月の計1年4か月(昔は2年や1年6か月。今は1年)。ということで、前期、実務、後期に分けて書いていきます。まずは前期。

※本稿は当時の話に過ぎず、旧司法試験も終わったいま、筆者の耳にする限りでは全く違った状況になっているものと認識しています。今も参考になる情報としてではなく、10年以上前の遠い時代の昔話として読んでください。

前期修習の舞台は翔んで埼玉和光市

前期修習の舞台は埼玉県和光市にある司法研修所。研修所は駅から遠くて不便ですが、敷地内の寮に住む人間にとっては楽でした。研修所から飲み屋まで遠いのが最大の難点です。研修に集中できるよう、敢えて何もない場所に作っているのでしょうか。研修所の他にも、理研、税務大学校、自衛隊駐屯地等の国の機関が多いです。

寮は最低限整っており私にとっては快適でしたが、社会人から入ってくる人や良い暮らしぶりだった人がどう感じるかは分かりません。壁は薄かった気がしますが、大学の寮で慣れっこでしたし、自分はどちからというと迷惑をかける側の人間なので。。いろいろな伝説が残っていますが、今も新たなる伝説は生まれ続けているのでしょうか。

修習生の顔触れは色々な意味でピンキリ

修習生はいくつかのクラスに分けられますが、1クラスはおよそ60-70名程度です。そのうち、現役合格者が数名、一浪も数名、二-三浪くらいが数名から10名前後、あとは大体5-10年選手といったところでしょうか。それ以上のべテランも珍しくありません。学生時代に官僚や公認会計士等とダブル合格していて転職してきた天才キチがたまにいたり、医者、裁判所書記官・調査官、IT大手(ハードウェア系)のエンジニアからの転職組等もいました。高校中退後、大検でFラン大学に行って、個人商店で働いていたけど事務職やりたいって言ったら上司に「お前には向いてねえ」と馬鹿にされたので一念発起して司法試験受けたとかいうヤバい奴もいました。

思っていたよりは普通の人が多かったですが、変な人は世間と比べて遥かに多くいます。自分より優秀な人もいる一方、何で司法試験に受かったのか意味不明な人も少なくありませんでした。

お互い、競争相手というよりは、ともに法曹になる仲間という意識が強いため、基本的には仲が良く、一部の例外を除いて変なギスギスはありませんでした。なお、なんだかんだで若手は比較的優秀なため一目置かれます。四大の内定者等は「ブル弁(ブルジョワ弁護士)」といって茶化されたりしますが変な妬みはありません

研修内容は厳し過ぎず優し過ぎず。ぶっちゃけヌルい

肝心の研修内容はあまり覚えていません。簡単ではありませんでしたが、特別難しいこともありませんでした。1科目につき丸一日かけて行うテスト的なもの(「起案」)はキツかったですが、司法試験界隈勢にとっては常識の範囲です。司法試験に何度も敗れては乗り越えてきたベテの人達からすれば大した苦しみではなかったでしょう(とはいえ、簡単に受かった人達のほうが研修所での勉強も要領よくこなしていましたが)。

全体的な雰囲気としては学校の新学期のような感じで、見知らぬ人とお互い距離を伺いながら徐々に親交を深めつつ、授業においては、教官が、「法曹たるもの」みたいなお約束の説示とともに、実務家としての基本的な座学を優しく厳しく、時に面白く教え込んでいくという(教官は、ウケ狙いのユーモアのある人が多い。)、なんとも生ぬるい感じの時間でした。

勉強しているだけで給料が出る

給料が出ました。国一の一年目と同水準らしいです。社会人一年目の金額としては特別高級ではないのでしょうが、学生時代はローカルな居酒屋で自分の時給も教えてもらってないまま週一未満でバイトをしていただけの世間知らずの私にとっては(生活費は奨学金)、十分ビビる金額でした。得意な勉強をしているだけで給料が出るのはありがたいと思いましたが、修習生は闇営業バイト禁止なので、もらえなかったら生活に困りますからね。前期修習の間の給料は基本的に酒代と実務修習への引越費用に消えましたが、酒代は、世代の違う方々と親交を深めて社会勉強するのに必要だったと思います。

こんな感じで前期修習の2か月はあっという間に過ぎ、それぞれの実務修習地に散らばっていきます。「それぞれの」といっても、修習地が同じ人は同じクラスにまとめられていたので、クラス内の仲間でそれほど行先がバラバラになる訳ではありません。

P.S. 当時の旧修習と現在の修習の違い(偏見)- 給料カワイソス

①修習生の多様性を図るなんて妄想だった

ロースクール制度の失敗で、ほとんどが学生上がりとなり、年齢的にも経歴的にも多様性なんて昔より少なくなってるんじゃないでしょうか。

②修習生のレベルがヤバいことになった

司法試験の合格者数は増えましたが、ロースクールの人気は低迷を辿る一途であり、競争母体の質も量も下がった結果、下位層の質なんてものは目も当てられたものじゃないと思います。あと、バラつきがかなり激しいのではないかと思います。

昔は最低でもラディッツとかナッパくらいのサイヤ人、せめて当時のピッコロくらいのレベルだったのが、最近は、ヤムチャも珍しくないばかりかZ戦士でないものも紛れ込んでいるといった感じだと思います。昔のトップ層はフリーザや超サイヤ人クラスも珍しくなかったのですが、最近はどうなのでしょうかね。

③新学期のソワソワ感が足りない。学校の延長。

今の修習では、基本的にロースクール時代の既知の友人がいるため、修習でも既知の仲間同士でつるむケースが多いと聞きます。法学部から消去法的にロースクールに進学した学生あがりの若者が多数派で、そのうえ既存の知り合いで固まられるとなると、年寄りや変わった経歴の方は肩身が狭いのではないでしょうか。

④給料が少ない

給料は半分くらいになりましたね。それどころか、最近までは貸与制(給料は出さないが、金が要るなら無利子で貸してやるという制度)の時期までありました。ただ、貸与制とはいえ、十分な額が借りられるので、自分だったらとりあえず借りれば済む話と考えます。ちゃんと給料もらっていた時代の人間の戯言ですが、まだ生産性のある仕事をしている訳ではなく、世代間の公平だけを理由に自分たちの訓練に税金を寄越せとはなかなか言いづらいです。無利子で返済スケジュールも厳しいものではないので、客観的に見ると貸与制もそんなに理不尽な話ではないと思うんですけどね。

たまに、資格を得るために修習は必須で、副業できないのに事実上強制的に借金しなければいけないのはオカシイみたいな主張する人がいるんですが、ロースクールだって必須なうえに現実的にバイトする暇はないし、学費と生活費は修習の費用以上にかかるんだからそっちの方がオカシイだろと思います。結局は「あいつらは貰ってるのに」っていう僻みなんですよ。その感情は当然だと思いますが、世代間の公平性とか言い始めたらキリがないし、奨学金だと思って返していけばいいと思うんですけど、カネの恨みは恐ろしいってことですね。

なお、貸与制の世代の人達の中には、給費制でなかったことを心の底から憎んでいる人達もいるので、あまりこの話題で煽るのは控えておいた方が無難です。

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