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留学生活

30万円のチケットを買って全米オープン決勝で錦織を応援してきた話

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錦織決勝>>>>>超えられない壁>>>ロースクールの授業

2014年に錦織圭が全米オープンの決勝に進出した時の熱狂を覚えていない人は少ないでしょう。ロースクールの授業が始まって間もない頃だったと思いますが、時差も(ほぼ)無いのでシカゴから毎日テレビ・ネット観戦しており、彼の連日の快進撃は私の心を激しく震わせていました。

「できることなら現地で観戦したい、でも来年NYに住むからその時でいいかな」と思っていましたが、準決勝で錦織がジョコビッチを撃破するのを見た瞬間、NYまで決勝を観戦に行こうと決断しました。天候のせいだったか覚えていませんが、この年の決勝はなぜか月曜日の開催。平日なので当然ロースクールの授業もあります。しかし、本当に大切なモノがどちらかは明らかでした

転売サイトでチケット購入可能なことを確認し、すぐに飛行機とホテルを手配しました。ホテルはともかく飛行機が曲者で、一般的に、直前になればなるほど(空席が埋まっていくほど)高くなります。この時も決勝は二日後に迫っていたため、フライトは既に残念な価格となっており、たかがシカゴからNYへの1泊2日の旅行で600ドルの飛行機代と150ドル前後のホテル代を要しましたが、その程度で諦めていいイベントではありません。

いざNY!

授業は仲間に任せて、私は日本人同級生の(無権)代表として決勝の朝にニューヨークへ飛び立ちました。フライトが遅延することもなく無事ニューヨークに到着。空港近辺のホテルへチェックインし、少し早かったものの、はやる気持ちを抑えきれず会場へ向かいました(会場のあるフラッシング・メドウはブロードウェイ等のマンハッタンの観光地からは離れており、ラガーディア空港に近いエリアにあります。大井競馬場みたいなものです(違う))。実は、これが私にとって初めてのプロテニス現地観戦でしたが、それが日本人の出場するグランドスラムの決勝とあっては当然テンションは最高潮です。

スタジアム入りすると、会場スタッフに「今日はめちゃくちゃ日本人が多いね」と話しかけられました。確かに、シカゴ住民としては信じ難いほどの数の日本人がいました。実際にニューヨークに住んでみると、日本人なんて珍しくもなんともありませんが、ニューヨークには想像以上に日本人が住んでいるんだなと思ったものです。

金銭感覚ぶっ壊れで最高の席を購入

そして自席に到着。この日観戦に来ている日本人の大半はNY在住のミーハーで、スタジアムの上の方の席に陣取っている感じでしたが、シカゴから来ている自分の覚悟は彼らとは違います。なにせ、96年ぶりの日本人の決勝進出であり、文字通り世紀の一戦です。この機を逃せば、また96年くらいこんなチャンスは訪れないかも知れません。であれば96年分をこの一戦に注ぐべしという意味不明な決意を抱いていました。

そんな決意のもと購入したのがこの席です。コートサイドの前から3番目くらいです。価格は日本円にすれば30万円を超え、上段席のシリーズチケット(約14日分のチケット)を買うよりも高くつきました。それでも、この年の決勝は「錦織vsチリッチ」という一般のテニスファンからみれば期待外れの組み合わせであったため、この席にしては安い方だったのではないかと思います。

アップ中①。試合中は観戦に必死で全然写真とか撮れませんでした。

アップ中②。やっぱり錦織のバックハンドはカッコいいです。

世紀の大惨敗

今でもこの大枚をはたいた決断を後悔はしていませんが、みなさま結果をご存じの通り、肝心の試合は惨憺たるものでした。

ドゴッ!…「フィフティーンラブ(15-0)」
ドゴッ!…「サーティーラブ(30-0)」
ドゴッ!…「フォーティーラブ(40-0)」
ドゴッ!…「ゲーム、チリッチー」

という感じで、錦織はチリッチのサービスに触ることすらできず、爆速のサーブが壁にぶつかる音がむなしく響きわたるなか、淡々とゲームが進んで行きました。

錦織は明らかに緊張で体が硬く、ラリーでもリズムを掴めず本当に苦しそうでした。一方的な展開に、日本人だけでなく、会場の外人も「どうなってんだ」と騒いでいました。会場は全体的に錦織ファンのほうが多かった気がしますが、結局、ほとんど何もすることができないままストレートで敗れ去りました。

クソがー!

表彰式に立っているだけでも凄いのですが、悔しすぎる。。

この一戦に96年分の思いをつぎ込み、数十万の大金を払ったのに目の前で日本人選手がフルボッコにされるという悲劇の当事者となった私は、しばらくの間、茫然とするしかありませんでした。ホテルに帰っても何も手に着かず、ロースクールの授業のメールもまるで頭に入ってこず、ひたすらボーっとしていました。敗戦のショックは翌日も尾を引き、シカゴへ帰って授業に出ましたが心ここにあらずという感じでした。

今回は非常に悔しい敗戦となりましたが、自分よりも年下の日本人が、非常に厳しい世界で世界一に向けて戦っている姿には感銘を受けました。これがきっかけでテニス観戦にハマってしまい、翌年の全米オープンを含め、アメリカにいる間に、軽く100万円以上はテニス観戦にぶち込んでしまうことになりました。

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